車の傷やヘコミは自分で直せる?自宅で簡単に直す手順とコツを解説
車の傷やヘコミを自分で直すことができるのか?
プロに依頼した方が良い場合と、自分で簡単に修復できる場合の手順と注意点をご紹介します。
一般的には、手のひら大の凹みぐらいであれば、自分で直し方を知っていれば修復は可能と言われています。
今回は自宅で簡単にでき、あまり費用をかけずカー用品店で販売されている修理キットや100均等の道具でも車の凹み修理ができるコツを解説していきます。
目次
自分で車の傷は直せるの?
車を壁に擦ってしまったりして傷がついてしまった際に自分で簡単に直せるのか?気になる方も多いと思います。
また、車を売却しようとした際には出来る限り傷を直してから査定に出した方が、買取金額が有利になるとお考えの方もいらっしゃると思います。
今回はカー用品店などで販売されている傷の修繕キッドを用いて傷を直すことが可能であるか紹介していきます。
大きな傷や塗装が剥がれてしまったような傷の修復は難しい
基本的に自分で修復キッドを用いて直せるような傷は浅い傷に限ります。
塗装の表面部分の傷であれば磨いて傷を埋めたり見えにくくすることが可能ですが、塗装の内部まで深い付いてしまった傷は自分で修繕することは難しいです。
目立ちにくくすることはできても、直すという観点でいうとプロに依頼することになるでしょう。
壁などで擦ってしまったような傷なら直せる?
それほど深くはないような線傷であれば自分で修繕や目立ちにくくすることができます。
カー用品店などで一般的に販売されている修繕キッドを使って実際に傷直しを行ってみました。
①ドア部分を壁や柱に擦ってしまった傷の修理事例
実際に上記のような傷の車をお客様より買取りしました。
カー用品店にて一般的な傷修繕キッドを購入し直せるか試してみました。
※あくまで一例で効果を保証するわけではないため予めご了承下さい。
一般的にカー用品店にて販売されているものは、傷を直すのではなく研磨剤の小さな粒子で傷を埋めたり、周りの塗装も同様に削って傷を目立たなくするような商品がメインとなります。
その上でワックス効果のある艶出し剤でさらに目立ちにくくさせます。
拡大するとこのぐらいの傷です。
傷部分を触ってみて溝がないような線傷であれば磨けばキレイになりますが、今回は爪を立てると引っかかる程度の傷であるため塗装の内部まで傷が入っている可能性があります。
10分ほどコンパウンドと研磨剤を使って磨きました。
若干傷の白い部分が目立たなくなったかな?という程度で消えたという感じではないです。
あまり強く擦ってしまうと元々の塗装が剥がれて、修理にさらに費用がかかってしまう恐れがあるので丁寧にゆっくりやってみます。
磨きのポイントは、円を描くように磨いてしまうと塗装がまだらに削られてしまうため、傷に沿って縦横に一定方向で磨くと傷も消えやすくキレイに仕上がります。
20分ほどかけかましたが、かなり目立たなくなってのではないでしょうか?
傷全体の上部はほぼ目立たなくなりましたが、下部部分が傷が深いため完全には消えませんでした。
傷が比較的浅いものは、市販の修繕キッドでも十分直すことができると感じました。
ただし深い傷の場合は修理業者が使用しているような道具が必要だと思います。
②ドアノブの爪傷のような浅い傷の修復事例
軽く擦ってしまったり、爪で浅い傷が車の外装に付いてしまった場合には自分で消すことができるのか?
実際に市販の傷修復キッドを使用して試してみました。
この程度の傷はよく付いてしまいますよね?
車を売却する際には、このぐらいでは大きく査定に影響はありませんが、新車からまだ3年以内など状態の良い車の相場が主な車種の場合には、小さな傷でも差がでることはあるため、自分で直すことができれば直しておきたいところです。
市販の傷修復キッドには、付属のスポンジや研磨剤などが同封されているものが多いので実際に傷の部分を消せるかどうか磨いてみました。
おおよそ5分ほどやさしく擦るように磨くと
このようにほとんど傷が目立たないような状態になりました。
薄い線傷などは市販の傷修復キッドでも十分傷を直すことが可能でした。
★【車買取のプロ】萩原代表のここがポイント! ・今回は市販で販売されている傷消しを使用して試してみましたが、塗装の内部まで亀裂が入っているような深い傷でなければかなり目立たなくするができます。予算も1000円~3000円ほどで購入できるためお手軽です。実際に行う際には、塗装を削りすぎてしまわないように力加減や磨く範囲などに注意が必要です。 |
自分で車のへこみは直せるの?
車のへこみを自分で直す手順
小さな傷やヘコミであっても放置すると車の塗装は剥がれていき、場合によっては錆びたり塗装膜の剥がれなどが起こります。
よって大きなヘコミや手が届かない部分の修理はプロに依頼することが必要ですが、ちょっとしたヘコミは自分で修復していくことが長く車を維持して、乗っていくため秘訣となります。本格的な修理の手順は以下のような手順となります。
■小さなへこみを自分で直す方法
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より簡単にできる車のへこみ修復テクニック
上記のへこみ修復手順はできる限り見た目の部分も直すような本格的な手順ですが、もっと簡単にへこみの部分を直したいという方は、下記テクニックを参考にして下さい。
実用性を考慮し、小さなへこみに限られますが、この方法は低コストで手軽に試せるへこみ修復の選択肢となります。
吸盤式の工具を使用したへこみ修復方法
車のへこみを自分で直すなら、吸盤を使った修復がおすすめです。
専用の道具をネット通販で1000円~3000円ほどで購入が可能です。
専用の吸盤式工具を使用してへこんでしまった箇所を戻します。
まず、へこんだ部分の周囲を清掃し、吸盤をしっかりと押し付けて固定し、力強く引っ張ることでへこみを外側へ引き出します。
この方法は特にボンネットや天井など平滑で比較的大きく浅いへこみに有効です。工具は色々なタイプの種類が販売されているため、へこみ箇所に合ったタイプのものを使用することがポイントです。
ドライヤーやお湯と冷却剤を使った修理はやめた方が良い?
「車 凹み 直し方」等でネット検索すると、ドライヤーやお湯をかけてへこみ修復する方法が多く出てきます。
こちらは、ドライヤーやお湯でへこみ部分を温めて金属を柔らかくし、その間に裏側からたたき出し、その後冷却スプレー等で冷やす方法ですが、一方でやめたほうが良いというコメントも多いです。
■熱でヘコミを直す方法
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★【車買取のプロ】萩原代表のここがポイント! ・ヘコミを温度差で直せる可能性もありますが、熱湯によるやけどやプラスチック部分の変形、塗装の剥がれ、失敗をするとデコボコに仕上がり修理費がさらにかかるはめになることも。やはり慣れていない方にはあまりおすすめしない方法です。 |
修復が難しいへこみの見極め方
修復が難しいへこみ見極め方は、大きなヘコミや傷になってしまっている、車両本体のフレーム部分のへこみなどがあります。
大きなヘコミの場合は、手間や時間とコストが多くかかります。
またへこみが直ったとしても綺麗に修復をしないと外観に影響が出ます。深いへこみの場合も同様にプロに頼む手段の検討が必要です。また、車両の本体フレーム部分の損傷は、自分で修繕した場合に売却時「修復歴あり車」と見なされ、「事故車」に近い評価となる恐れがあるため自宅での修復が適していません。
また吸盤タイプで上手くヘコミを直せる場所は、平らな面や範囲が手のひらより小さな範囲に限ることが多いです。
角の部分や横長なヘコミ、傷があるヘコミは自宅で自分で直すことは難しいでしょう。
これらのタイプのへこみは、プロの修理技術や特殊な工具を要求するため、修復を試みても状況を悪化させるリスクがあります。あくまでも浅くて、塗装の損傷がないへこみに限定して、見極め方として試みましょう。
プロに車のへこみ修理を依頼するメリットとデメリット
プロに車のへこみ修理を依頼する大きなメリットは、高い技術と経験を持つ専門家による品質の高い仕上がりです。
さらに、修理には保証がつくケースも多く、万が一の問題にも対応を期待できます。
一方でデメリットとしては、自宅での修復に比べるとコストがかかること、また修理工場までの移動や修理期間中の車の利用ができない時間が発生する点が挙げられます。
プロに依頼すると、時間と労力を節約できるため、結果的に効率が良い場合もあります。
プロに傷やヘコミの修理依頼する場合の費用相場
一般的に、プロに車のへこみや傷を修理してもらう場合、修理費用の相場は幅広く変動します。
小さなへこみやキズであれば数千円から可能ですが、深いへこみや広範囲に及ぶダメージの場合は、数万円以上かかることも少なくありません。
費用が変動する要因としては、ダメージの大きさ、車のモデル、使用する塗料の種類、さらには修理する業者の技術や地域によっても異なります。
プロの修理を選ぶことのメリットとしては、高い技術で車を元の状態に近づけることができる点が挙げられますが、費用と時間がかかるというデメリットも考慮する必要があります。
■車の傷やヘコミの修理代相場の目安
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★【車買取のプロ】萩原代表のここがポイント! ・車の傷やヘコミの修理費用は業者によって大きく異なります。実際には修理の費用には決まった相場はなく、各業者が設定した価格に基づいています。ディーラーは比較的価格が高いですが仕上がりは良いと思います。カー用品店は、値段もそこそこで安定した仕上がりです。 最もおすすめなのは、修理を専門としている板金工場や専門店です。 専門性が高く値段も手ごろながら親身に対応してくれることをが多いです。 ただし、損傷規模にもよりますがどこに依頼しても数万円~数十万円の見積もりとなることも多いのでよく考える必要はあります。 |
車を売却する際には傷を修理した方が良い?
車を売却しようとした際に、車に傷があればもちろんその分買取額は減額となります。
そのため傷がある方場合には修理してから査定を出した方が有利になるのか?悩む方は多いです。
実際に車に傷やヘコミがある車を売却したい時には、そのままが良いのか?修理すべきか?を詳しく説明するので参考にしてください。
傷による査定額の減額はどれくらい?
傷の大きさによって査定額への影響は異なります。
一般的に1cm未満の小さな傷は査定に大きくは影響しません。
しかし、傷が広ければ広いほど、減額幅も大きくなる傾向があります。
具体的な目安として、以下のような減額幅が考えられます。
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また、傷の深さも重要な要素です。
爪が引っ掛からない程度の浅い擦り傷であれば、軽微な減点で済むことがあります。
一方、塗装の下地が見えるような深い傷は、たとえ範囲が狭くても、大きな減点対象になる可能性があります。
ただし上記の減額幅はあくまでも目安です。
車種や年式、全体の状態によっても変わります。また目立つ場所にある傷は、より大きな減額要因となることがあります。
大きくの場合は修理代の方が高くなるためそのまま売却した方が良い
基本的には電気系統やエンジン関連のトラブルの修理ではなく、外装の傷やヘコミの場合には、修理してから査定に出した上乗せ額と、修理にかかった費用では、修理代の方が高くつきます。
そのため傷は直さずそのままの状態で車買取の査定に出した方がお得になることが多いです。
傷があると査定額の減額対象になりますが、多くの業者は自分たちで修理する板金塗装工場や、専門の業者があるため一般の修理業者よりも安い金額で直すことができるため、費用の差が発生するためです。
★【車買取のプロ】萩原代表のここがポイント! ・年式の古い車や過走行車、海外輸出向けの車などはあまり傷やヘコミが買取相場に左右されないこともあるため、人気車や新しい年式のモデル以外は、プロに修理を依頼せずまずはそのままの状態で車売却の査定依頼をしてみることをおすすめします。その上で修理した際の買取額を教えてもらいどちらがお得かを判断すべきです。 |
参考記事:車買取の査定額に傷は影響ある?減額される目安と修理すべきかを解説
まとめ 車を修理する費用がもったいない方は、売却がおすすめ
大きな傷やヘコミを修理すると高額な修理費用がかかります。車を売却する際の注意点として、修理にかかった費用は査定額には含まれない点です。
せっかくきれいに直したのに、修理費用分の査定額がアップすることはほとんどありません。車の修理代は原材費だけでなく、人件費・工賃などの費用が上乗せされているため、修理をすることでかえって損をしてしまう可能性が高いです。
将来売却も考えている車両の修理をする場合は、費用対効果を見直す良い機会となります。
実際に修理を行う前には、修理費用の見積もりと、車の査定額をともに見比くらべ、維持するのに見合わない費用がかかる場合、車を売却してしまうことをおすすめします。
売却により、修理費用を新しい車への投資に回すことが可能となり、長期的に見て賢明な経済判断となるでしょう。