車買取の査定額に傷は影響ある?減額される目安と修理すべきかを解説
■この記事を読んでわかること
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愛車を手放すとき、自分の愛車に多くの傷がある方はどのような査定評価になるか悩む方は多いです。
基本的にどんな傷があっても、車の売却自体は可能です。
ただし、傷の程度や場所によって査定額は減額されることになります。
本記事では、傷がある車の買取にどのぐらい減額されるか目安や売却前には傷を修理すべきかについて解説します。
傷の種類や影響、買取価格への影響などを詳しく説明するので参考にしてください。
目次
傷だらけでも中古車は売却できるの?
傷だらけの中古車でも売れるのでしょうか。
小さな傷ではなく、大きな傷やヘコミ、事故を起こしてしまった車など。
「事故を起こした車でも買取りはしてもらえるのか?」
「塗装が剥がれてしまっているような車でも値段が付くの?」
「大きな傷やヘコミを直す修理代が高いので売却を検討したい」
など走行はできるが、車検に通るのか心配になるような車を手放したいが買取が可能であるかどうか不安に思っている方も多いでしょう。
ここでは、車買取の傾向や可能性について解説します。
傷が多数でも日本車は高く買取してくれる
日本車の品質の高さと信頼性は世界的に高く評価されています。
そのため、傷が多くあったとしても買取業者は積極的に買い取る傾向にあります。
特に日本車メーカーの車は海外需要が高いため、買取価格が維持されやすいでしょう。
傷があったとしても新車購入から3年程度で、海外向けとしてリセールバリューは80%以上と高い水準の車も多くあります。
国内では傷がある車は敬遠されがちですが、海外では価値がある日本車として十分に扱われます。
また、人気の小型車やハイブリッド車は、日本国内だけでなく、海外でも長く愛されています。
このような海外需要の高さが、日本車の買取価格を支えている要因です。
傷がある車でも板金や修繕の費用をかけたとしても流通することができる場合は、車の査定額も期待できるでしょう。
車を手放す際に市場動向を把握しておくと、より有利な条件で売却できる可能性が高ります。
海外輸出の販路を持っている車買取店がこのような傷やへこみが多い車でも高い相場で買取ができる可能性が高いです。
車買取店選びが重要となりますので、独自の海外輸出のルートがあるのか、事前にホームページ等で確認してから依頼することをおすすめします。
参考記事:中古車買取価格が高騰してるって本当?海外輸出できる業者の査定相場が高い理由
事故車でも業者がパーツ取りできるので買取は可能
車の状態が悪くても、パーツ取りが可能であれば、買取業者は興味を買取りが可能です。
特に希少な部品だったり、生産終了した部品を含む車だったりという場合、高値が付く可能性は高いでしょう。
例えば、旧車ブームの影響により、一時代を築いた車の純正部品の需要が高まっています。
そのような部品は新品入手が難しいため、中古パーツの価値が上がっている状況です。
具体的な事例として、ある高級ミニバンのナビゲーションシステムの場合、単体で10万円以上の価値が付くことがあります。
また、人気スポーツカーのエンジンパーツは、チューニング目的で高額取引されています。
【パーツ取りの対象になりやすい車の具体例】
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このように、一見価値がないように思える車でも、パーツ取りという観点から見ると、思わぬ高値が付く可能性があります。
事故車でも修復歴がつかない損傷であればあまり問題ない
過去に事故を起こして修復歴がある車でも、骨格部分にまで損傷はない場合はあまり減額されず買取が可能です。
修復歴が付く場合というのは、フレームやピラーなどの車体の骨格部分にまで損傷があった車両を修復した際に事故車扱いとなり、修復歴あり車と定義されてしまいます。
その場合は見た目は綺麗に直っていたとしても査定額が大幅に下がる可能性があります。
一方、ドアやバンパーなどの交換程度であれば、修復歴ありとみなされず、査定額への影響は限定的です。
事故歴まではいなかない具体的には、同年式・同走行距離の普通自動車を比較した場合、修復歴がある車両は雑な直し方をしている場合は1割~2割ほど査定額が下がるケースがありますが、多くの場合はほとんど査定額には影響しないことが多いです。
以下のような修理は修復歴車と見なさない買取店が多い例です。
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ただし、修復した状態にもよるため車両を早期に売却することで、より有利な条件で売れる可能性が高くなります。
特に日本車は需要が高いため、しっかり修復された車両であれば、再販の見込みは高いでしょう。
このように傷を直した修復歴がある車でも、適切な修理と丁寧な整備によって買取可能です。
車の傷による買取査定額の減額目安
車の買取価格は、傷の大きさや深さによって変わります。
塗装修理や板金修理、修復可能かどうか、修復歴の有無も影響します。
ここでは、減額されやすい傷の特徴を解説するので参考にしてください。
1.傷の大きさによって査定減額率が変わる?
傷の大きさによって査定額への影響は異なります。
一般的に1cm未満の小さな傷は査定に大きくは影響しません。
しかし、傷が広ければ広いほど、減額幅も大きくなる傾向があります。
具体的な目安として、以下のような減額幅が考えられます。
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また、傷の深さも重要な要素です。
爪が引っ掛からない程度の浅い擦り傷であれば、軽微な減点で済むことがあります。
一方、塗装の下地が見えるような深い傷は、たとえ範囲が狭くても、大きな減点対象になる可能性があります。
ただし上記の減額幅はあくまでも目安です。
車種や年式、全体の状態によっても変わります。
また目立つ場所にある傷は、より大きな減額要因となることがあります。
2.塗装が剥がれているような傷や劣化の場合
塗装が大変な傷は、車の買取価格に影響を与えます。
一般的にA4サイズ未満で1万~5万円程度、A4サイズ以上で3~10万円前後というケースが多いようです。
塗装が必要な傷の中でも、特に注意したいのは錆びている箇所です。
錆びは放置すると広がる可能性があるため、一般的に買取業者は厳しく査定します。
また、傷の位置も査定額に関わります。
例えば、ボンネットやドアなど目立つ場所にある傷は、より大きな減額要因になりかねません。
一方、下回りや内側など、普段目に付きづらい場所の傷は影響が少ないでしょう。
塗装が必要な傷がある場合、専門家に相談して修理するか、そのまま買取に出すか検討してみてください。
修理コストと買取価格の差を比較し、最も有利な選択を考えると良いでしょう。
3.板金しなければ直らないボディの傷はどうか?
板金修理が必要な傷は、車の買取価格に影響を与えます。
一般的にA4サイズ未満で1万5,000円~5万円程度、A4サイズ以上で8万円以上というケースが多いようです。
【板金修理が必要な傷の具体例】
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上記のような傷は、単なる塗装では修復できず、専門的な板金技術と時間が必要です。
そのため、買取価格に大きく影響するでしょう。
また車体の骨格に影響する傷は、車の安全性に関わるため、より厳しく査定されます。
このような傷がある場合、買取価格が大幅に下がることも珍しくありません。
ただし、板金が必要な傷でも、自分で修理せずに買取に出すほうが良いかもしれません。
プロの修理費用は高額になりやすく、減額分を上回るケースが多いからです。
4.部品交換が必要なレベルの傷は査定でかなり減額される
車体に修復不可能な傷がある場合、基本的に査定額は大幅に下がります。
特にフレームやピラーなどの骨格部分におよぶ損傷は深刻です。
例えば、サイドフレームが大きく変形している場合、修理費用が高額になるため、査定額が大幅に減額されることがあります。
ルーフパネルに大きな凹みがある場合も同様です。
修復できずパーツ交換が必要な場合、部品によって異なるものの、6万円~18万円ほど減額されることがあります。
修復不可能な傷は安全性や耐久性に影響するため、買取業者は慎重に査定を行います。
そのため、傷の状態や程度を正直に申告することが重要です。
隠そうとしてもプロの目から逃れることは難しく、かえって信頼を失う結果になりかねません。
5.骨格を損傷した修復歴あり車は査定額に影響が大きくある
過去に事故を起こして大きな損傷を修理した修復歴車は査定額に大きな影響を与えます。
見た目がキレイに直っていたとしても通常の査定額の50%以下に減額されることもあります。
例えば、修復歴がない状態で150万円の査定額だった車が、修復歴が原因で70万円以下になる可能性もあるでしょう。
特に高級車の場合、減額の度合いは大きくなります。
修復歴の影響度は、損傷の程度や修復箇所によっても変わります。
骨格部分に修復歴がある場合は事故車として扱われ、基本的に大幅な減額となります。
事故車扱いになる修理箇所について
事故歴のある車や修復歴のある車はどういった基準で決まるのか解説します。
違いは車のどこの部分を損傷して修復するか?です。
事故もしくはその他の理由で車の骨格部分が損傷し、修復した経歴があることと定義されることが多いです。
主にこれらの箇所がチェックポイントになります。
◆以下の場所を修理・交換した場合は事故歴や修復歴車扱いになります。
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画像引用:骨格写真一般財団日本自動車査定協会東京都支所
参考サイト・画像引用:参考一般財団法人 日本自動車査定協会 東京都支所
日本自動車査定協会 東京都支所 修復歴の考え方
上記の部分に事故等で損傷があると、走行に支障が出たり、車両状態に問題が生じてしまうため事故車との評価になり、見た目をきれいに修理したとしても一度上記に骨格部分に損傷があった車は「修復歴車」と見なされます。
修復歴がある場合もあきらめず、買取業者への査定を検討してみてください。
ただし、修復歴の隠蔽は絶対に避けましょう。
プロの査定員の信頼を失い、不利な立場に立たされるリスクがあります。
また、「修復歴に該当するかどうか分からない」という場合も、過去の修理歴と修理箇所を査定員に伝えることが大切です。
参考記事:事故車の修復歴を見分ける方法は?安い中古車購入時に役立つ情報も解説
車の売却の際には修理をして査定をすべきか?
傷や不具合などがある車を売却しようとした際には、修理をした方が査定額が高くなるのか悩まれる方は多いでしょう。
もちろん傷や故障を修理してから車の査定をしてもらった方が高い金額の提示となります。
ただし、修理代の方が高い費用がかかっては結果として損をしてしまいます。
それぞれの場合によって修理をして車を売却すべきかどうかを解説していきます。
ディーラーや販売店保証が期間内であった場合
新車購入時や中古車販売店にて購入して期間内であれば保証で修理ができないか確認することが先決です。
新車購入であればディーラー保証、中古車販売店で購入した際には、販売店の独自保証があります。
自損による傷は対象外となることがほとんどですが、不良や不具合などの修理は保証の対象となることがあります。
もし購入後の一定期間内であれば、保証にて修理をしてから売却することをおすすめします。
エンジンや電気系統のトラブルがあった場合
エンジンや電気系統など安全性に関わる部分にトラブルがある車を売却しようとした際には、売却の査定依頼をする前にまずは修理の見積もりを先に依頼する方がおすすめです。
購入後間もない一定期間や走行距離であれば、保証の対象内であるかの確認がまずは必要ですが、ある程度年数や走行距離が経過している際には、多くの場合で自費での修理が必要となります。
安全性に関わる部分に不具合がある車をそのままの状態で売却しようとした際には、査定額は大きく下がります。
車の査定の段階では詳しい点検はできないため、不具合があった箇所は交換するなど費用がかかる可能性も含めて低い買取査定額を提示せざる得ないためです。
ただし、電気系統などの不具合は部品を交換するだけで直ることも多く費用もさほどかからないことがあるため、修理を行ってから車を売却した方がお得に売却できる可能性が高まります。
よってまずは修理の見積もりを先に行い金額次第で修理するかどうかを決めた方が良いでしょう。
修理の見積もり金額が高額な場合には、査定をそのまま行い、修理した際の査定額がいくらぐらいになるのか担当者に聞いて確認しどちらがお得にになるのか判断すべきです。
事故車扱いの大きな損傷があった場合
車体の骨格部分を大きく損傷してしまった車を売却する際には、任意保険に加入しているのであればまずは保険会社に相談することをおすすめします。
任意保険会社により規定や内容が異なりますが、加入していれば車両保険などの対象内になることもあります。
相手がいる交通事故も際も同様にまずは保険会社に詳しい車の状態を報告し相談すべきです。
保険に未加入で自損してしまった場合は、修理の見積額が高額になることが予想されるため、そのままの状態で売却した方が良いことが多いです。
理由として、骨格部分まで歪んだり曲がってしまったような車は、仮に見た目を綺麗に修復をしたとしても修復歴有りの事故車扱いとなり、査定額自体も下がってしまい、修理費用の方が高くかかってしまう可能性が高いためです。
修理の費用も高額な場合は、そのままの状態で売却をすることも検討しないとなりません。
小さな傷やヘコミがある場合
小さな傷やヘコミがある車を売却する際には、そのままの状態で売却した方が良いことが多いです。
査定を行う場合の評価基準は、全く傷がない状態でほぼ新車という状態であれば大きく査定額が上がる仕組みになります。
それ以降は、多少傷やヘコミがあるという評価の対象範囲になるため、多少傷やヘコミは普通に使用していれば大抵はありますよね?
よって小さな傷やヘコミが少しある状態であればそこまで大きく査定額が変動することはないと考えて良いでしょう。
それよりも修理の費用の方が高くなることの方が多いため、そのままの状態で売却した方がお得になることが多いです。
【詳しくはこちらをご覧ください】
参考記事:車買取の査定額はどう決まる?中古車の買取相場の裏側を解説!
車買取はJAAIの査定基準が存在する
車の買取査定には、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が定めた基準が存在します。
多くの買取業者が採用している重要な指針です。
JAAIの査定基準では、車の外装、内装、機能、年式、走行距離、事故歴、改造歴など、多岐にわたる項目を細かく評価します。
【査定項目の具体例】
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ただし、上記の基準はあくまでも目安です。
最終的な買取価格は各業者によって異なります。
在庫状況や地域事情、得意分野などが影響するためです。
例えば、ある車種の在庫が不足している場合、買取価格は高くなる傾向があります。
また、地域によって人気の車種が異なるため、同じ車でも買取価格に差が付きます。
JAAIの査定基準を知っておくことで、自分の車の価値をある程度予測できるでしょう。
また、査定時に重視されるポイントを理解することで、日頃の車の管理や、売却時の準備に役立ちます。
参考サイト:一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI):査定とは?
一般財団法人 日本自動車査定協会 公式サイト
まとめ 買取専門店は高い査定相場で買取が可能
■この記事をまとめると
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傷だらけの中古車でも、状態によっては売却可能です。
特に日本車は買取需要が高い傾向があります。
パーツ取りや修復後の再販が可能であれば、買取業者は積極的に検討するでしょう。
ただし、傷の程度によって査定額は変わります。
1cm以内の小さな傷はほぼ影響しないものの、塗装や板金修理が必要な傷は減額対象になりえます。
特に修復不可能な傷があると、査定額が大幅に下がる可能性が高くなります。
しかし傷があっても、あきらめる必要はありません。
車の状態を隠そうとするのではなく、JAAIの査定基準を参考に、自車の状態を客観的に把握することが大切です。
適切な準備と正直な対応により、満足のいく買取結果につながる可能性があるでしょう。
また、買取専門店は車を買取りするプロフェッショナルであるためどんな車でも流通販路を広く持っています。ディラー下取りなどで値段が付きにくいような車でも、買取専門店に一度査定を依頼してみると思わぬ査定額がつくことも多くあります。
ぜひ今回の記事を参考に満足いく車の売却に役立てて下さい。